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CREATE営業の菊地です。
前回、多くの責任を抱える企業様にとって新しいリスクに備える保険商品として、
「役員賠償責任保険」をご紹介しました。
令和の新しいリスクはご存知ですか?? | 株式会社CREATE (kkcreate.co.jp)
例えば、過労死や経営責任の追及、従業員へのパワハラやセクハラなど、
現代はあらゆる角度から「会社」が訴えられる可能性がある時代です。
「昨日まで一緒に働いていた部下が、明日には裁判相手になっているかも」
こんな物騒な例を交えご紹介しましたが、
現代はインターネットの発達により、手軽に多くの情報が入手できる様になり、
「裁判・訴訟」は身近な存在になってしまいました。
さらに、「裁判・訴訟」は会社だけにとどまらず、
「会社+個人(社長・役員)」を訴えるケースが増加しています。
そんな中で、会社ではなく個人(社長・役員)を守る保険が「役員賠償責任保険」です。
前回、ご紹介したポイントは2つあり、
1つ目が、
「増え続ける社長・役員を取り巻く責任!」
2つ目が、
「社長・役員が訴えられた場合、個人資産を使わなくてはならない!」
1つ目の「社長・役員を取り巻く責任」とは、
「会社法」という法律で定められた3つの代表的な責任です。
・「任務懈怠責任」‥役員として求められている役割
・「監視・監督義務」‥他の役員が上記を怠っていないかを監視・監督する
・「善管注意義務」‥従業員が安全に労働できる状況
この3つの責任自体は変わらないのですが、
責任の発生原因や、監視範囲が広がり続けていることから、
全てを予想・回避することが難しいというのがポイントです!
2つ目の「社長・役員は個人資産を使わなくてはならない!」
こちらも「会社法」で定められており、
利益相反の観点から会社の財布と社長・役員個人の財布は、
「別々になる」という点がポイントです!
実際どういった時に財布が別々なのかというと、
敗訴した場合の賠償請求額はもちろん、
勝訴した場合でも一般的に賠償請求額の10~20%が相場とされる弁護士費用を、
個人資産から払わなければならないということが特に重要です!
企業を取り巻く環境が変わるに伴い、増えた責任の追求は社長・役員まで伸びています。
今回は実際「だれが」「どうのような」ケースで訴訟を起こすのか事例をご紹介します。
事例1)資産運用の失敗
概要 建設業A社は、新規取引をはじめた企業から、投資会社を紹介された。
当時、財務管理を担当していた元取締役の指示のもと、自社資金で勧められた投機性の高い金融取引を開始した。しかし、投資の実態はなく取引開始から数カ月後、投資会社と連絡が取れなくなった。この金融取引の結果、A社は約14億の損失を被った。これについてA社の株主が連名で元取締役らに対し損害賠償を求めた。
ポイント A社の資金が潤沢だったとしても、一取締役が運用判断できる金額として許容される裁量を超えているのではないか?また、他の取締役も同様、抑止できなかったのか?=善管注意義務違反にあたるか否かが争点となる事例です。
事例2)カルテルによる課徴金命令
概要 金属製造を営むB社は、金属製品販売においてカルテルを結んでいた疑いがあり、立ち入り検査を受けた。その結果、独禁法違反にあたり約26億円の賠償請求を受けた。事件発覚後、当時の取締役4名を当時の主要取引先・株主が、カルテルにより受けた損害をはじめ、関与・黙認した過失・コンプライアンスシステムの構築義務違反・問題発覚後の対応に至るまで、取締役らの一連の責任に対し損害賠償を求めた。
ポイント 先ほどと同様、役員の善管注意義務違反かどうかが争点となりますが、
ポイントは株主だけではなく、取引先も訴訟を起こしているという点です。
事例3)過労死による役員訴訟
概要 チェーン展開を行う飲食店C社の正社員が恒常的な長時間労働が原因で過労死した。
長時間労働の実態について、営業部長や取締役らは容易に認識できる就業実態にもかかわらず長年改善されず、放置されていた。再発防止を含め遺族は直属の上司であった営業部長、その上席の取締役個人を提訴した。
ポイント 会社の利益追求に加え、従業員が働く環境づくりも役員の責任である中、それを怠っていた、容認していたとして遺族から任務懈怠責任を問われている点がポイントです。また、今回のケースは会社とセットではなく「部長・役員それぞれ個人のみ」を訴えていることもポイントです。
事例4)新商品事業の提携関係の破綻
概要 加工食品メーカーであるD社は、ある海外企業と手を組んで新製品の開発・海外進出の準備していた。しかし、合意間近2社間で取り決めている提携契約がD社にとって不当ではないかと意見したことをきっかけに提携関係が破綻した。破綻後、相手先である海外企業から提携解消の判断を不当とする損害賠償約42億円を請求された。
ポイント これまでの事例と違い、提訴されたD社側に明らかな非、過失がない点がポイントです。賠償責任自体が目的ではなく提携が破断したことによる、
いわゆる、嫌がらせ「言いがかり訴訟」と呼ばれる事例です。
今回、4つの事例をご紹介しましたが
一番大事な点は、「企業規模、業界問わず訴訟される可能性がある」という事です。
資産運用で失敗したA社も、提携が破綻したD社も
「まさか騙される、話が大きく違う」そんなことは思っていなかったはずです。
場合によっては、グループ会社や信頼できる取引先からの話だったかもしれません。
また、業界全体や会社単位でカルテルや過労死が起きないために、様々な取り組みも行われています。
しかし、一現場、個人間の力関係まで全てに目を行き届かせるのは現実、難しいです。
これらに備える「役員賠償責任保険」の契約数は2021年に、
損害保険大手4社で1万件を超えました。これは5年前2016年に比べ2倍の契約数です。
しかし、商品によっては補償範囲が狭い、補償額が少なくなっていると全てが適正な契約とは言えません。
そのため、問題が起きないための対策と同様に、問題が起きてしまった時の対策も今一度考えてみてはいかがでしょうか。
CREATE菊地
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