法人に必要な雇用に関する賠償責任保険

人に関するトラブルは、どの企業にも起こり得るリスク

法人経営において「人」に関するトラブルは、いつ発生してもおかしくありません。
採用、解雇、ハラスメントなどの雇用関連リスクは年々増加しており、損害賠償や弁護士費用まで含めると、法人にとって大きな経営リスクとなります。
私たち保険代理店は、こうした予期せぬ雇用リスクから企業を守るために、「雇用に関する賠償責任保険」の活用を強くおすすめしています。

雇用慣行賠償のイメージ1

実際に起きた「内定取り消し」トラブル事例

あるビルメンテナンス業の法人企業が、新規ビル管理の受注を見越して、当該マンションの管理人を引き抜き採用する計画を進めていました。
給与(月23万円)、勤務条件(週6日・9時〜18時)を提示し、採用予定日まで決めていた段階でしたが、管理組合の都合で契約自体が不成立に。
結果として、企業は採用内定を取り消すことになりました。
ところが、採用予定者は「実質的な雇用契約だ」と主張し、ユニオンを通じて1年分の給与をバックペイとして請求。

弊社・お客様・損害サービス・弁護士のチームで対応した結果、
バックペイ5か月分(115万円)+弁護士費用50万円、合計165万円を支払い和解となりました。
幸いにも、雇用に関する賠償責任保険により費用は補償されました。

なぜ「雇用契約未締結」でも賠償責任が生じたのか

今回のケースのポイントはつぎの通りです。

  • 実際の雇用契約書はまだ締結していなかった
  • 給与や勤務条件など、詳細な待遇をメールや口頭で伝えていた

このような状態でも、裁判所は「実質的な雇用関係が成立していた」と判断しました。
経営者・役員・管理職の方なら、同じようなシチュエーションを経験されたことがあるかもしれません。

  • 特殊なスキルや資格を持つ人材の採用
  • 取引先や顧客との関係を踏まえた「引き抜き」採用

特にこのような場合、条件を具体的に提示する傾向があり、思わぬ法的リスクを抱えてしまう可能性があります。

用語解説「バックペイ」「あっせん」「労働審判」とは?

雇用トラブルの解決時によく出てくる言葉ですが、経営者の方にとっては馴染みが薄い用語も多いのが実情です。
ここでは、できるだけ分かりやすく整理します。

バックペイとは?

バックペイとは、本来支払われるべきだった賃金を、過去にさかのぼって支払うお金のことです。
例えば、不当解雇や内定取消しなどが争われ、「実質的に雇用関係があった」と判断された場合、「働けたはずの期間分の給与」を支払うよう命じられることがあります。
今回の事例でも、5か月分の給与=115万円がバックペイとして発生しました。

あっせんとは?

あっせんとは、労働局などの第三者が間に入り、話し合いで解決を目指す制度です。
裁判のように白黒をはっきりつける場ではなく、会社側や従業員側双方の主張を聞いた上で、「落としどころ」を探る調整の場というイメージです。
比較的スピーディーで、解決金も月収1か月分前後でまとまるケースが多いのが特徴ですが、内容次第では企業側に一定の金銭負担が発生します。

労働審判とは?

労働審判は、裁判所で行う話し合いと調整の場(労働審判期日)を原則3回以内の期日で早期解決を目指す法的手続きです。
通常の訴訟よりもスピード感があり、解雇や未払い残業代、ハラスメントなどのトラブルで多く利用されています。
統計上、労働審判での解決金額は、「月収4~7か月分(中央値 約4.7か月分)」が目安とされており、中小企業にとっては決して軽い金額ではありません。

雇用トラブルの現状と平均解決金額

厚生労働省によると、労働局への個別労働相談件数は年間120万件超と高止まりが続いています。*1
民事上の労働関係相談で最も多いのは「いじめ・嫌がらせ」で、近年トップとなっています。
主な相談内容はつぎの通りです。

  • いじめ、嫌がらせ:約55,000件
  • 自己都合退職:約41,000件
  • 解雇:約32,000件
  • 労働条件の引き下げ:約31,000件

相談内容別の件数
相談内容別の件数

さらに、解決時に発生する金銭リスクについては、最新統計としては細かな平均値データが個別公表されていませんが、厚生労働省の統計・労働審判・あっせん・訴訟の実務統計の傾向からは次の点が確認されています。

  • 労働審判での解決金額:月収4~7か月分(中央値約4.7か月分)
  • あっせんでの解決金:月収1か月分前後
  • 訴訟での平均支払額:600万円超

内定取消しでも、月収1~6か月分程度の支払いとなるケースが多く、状況によっては数百万円規模になることも珍しくありません。

法人を守るリスクマネジメントとしての「雇用に関する賠償責任保険」

雇用トラブルが発生すると、つぎのようなコストが一度に発生します。

  • バックペイ(未払い賃金)
  • 慰謝料・和解金
  • 弁護士費用

中小企業にとって、数百万円規模の突発的な支出は資金繰りに直結する経営リスクです。
そこで有効なのが、雇用に関する賠償責任保険です。

なお、この補償は単独の保険商品として加入するケースだけでなく、労災上乗せ保険の特約として付帯、役員賠償責任保険(D&O保険)の特約として付帯ができるケースもあります。
「すでに加入している保険に、実は特約で付けられる」、「知らないうちに補償が不足している」ということも少なくありません。

「起こさない努力」と「備える準備」を

今回の事例のように、雇用トラブルは業種を問わず突然発生します。
法人経営者にとって重要なのは、トラブルを起こさない努力と同時に、『トラブルが起きてしまったときの備えをしておくこと』です。

  • 雇用リスクに対する備えは十分か
  • 今の保険で本当にカバーできているのか
  • 補償内容が実態に合っているか

少しでも気になる点があれば、ぜひ一度、現状の補償内容を確認してみてください。
弊社では複数の保険会社の中から、業種・規模・リスクに合わせた最適なご提案を行っております。

引用
※1:厚生労働省「『令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況』を公表します」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00201.html

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